通所リハビリは名古屋市中川区の介護老人保健施設「松和苑」

お知らせ・ブログ

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  • 2020.08.19

    いきいき健康教室ネット「なぜ加齢に伴って足がつりやすくなるのか」【 富田病院 リハビリテーション 愛知県 名古屋市 中川区 】

     
     
    富田病院リハビリテーション科 理学療法士の佐藤です。
     
     
    今回も勝手に”なぜ?シリーズ”でお送りしますが、加齢に伴い、なぜ足がつりやすくなるのか?というお話をしていきたいと思います。
     
     
     
    みなさんも一度や二度は、足がつって(いわゆるこむら返り、痙攣)痛い思いをしたことがあると思います。
     
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    若い時に多いのは、部活動などで長距離を走ったり、汗をかきながら多くの運動を繰り返して疲労困憊となり、ふくらはぎや太ももがこむら返りしてしまった。というパターンが多いと思います。
     
     
    これは良性のもので特別な原因疾患のない痙攣であれば、主に体内のカルシウムやカリウムなどといったミネラル(骨や筋肉など体の組織を構成するために必要な無機質)が発汗などにより失われてバランスを崩し、筋肉が異常収縮を起こしてつってしまいます。
     
     
    ですが年齢を重ねていくと、そのような激しい運動などは行なっていないのに、ましてや夜中眠っている時に足がつってしまうということがよくあります。
     
     
    これは加齢に伴う(動脈硬化などによる)循環の障害・冷え、筋紡錘という筋肉のセンサーの異常などの要因に加え、やはり”脱水”が原因となることが多いです。
     
     
    上記した脱水に伴うミネラルバランスの崩れや、血液の粘性が上がることで循環障害なども発生し、筋肉が痙攣を起こしやすくなってしまうと考えられています。
     
     
     
    ちなみに、みなさん1日に何リットルの水分を摂取していますか?
     
     
     
    (個人差や疾患等による差はありますが)排便や排尿、呼吸、発汗などにより1日2リットル前後の水分が体から排出されています。
     
     
    一般的に、食事摂取や体内での代謝過程で作られる水分に加えて、1リットルから1.5リットル程度の水分摂取が望ましいとされていますが、水分摂取量が足りていない方が多くみえます。
     
     
    水分は、アルコールやカフェイン が多く含まれる水分(コーヒー、緑茶、烏龍茶など)は利尿作用があり、体外へ水分排出が促進されるため、ミネラルウォーターや麦茶などがおすすめです。
     
    また、お水といってもミネラルウォーターと水道水の違いなど、細かくみると身体への影響などいろいろと考えられます。このあたりは水分摂取に関するブログでまた詳しくまとめていけたらと思っています。
     
     
     
    最後に注意点をお伝えしますが、このこむら返りや痙攣は、上記した良性のもの以外での非常に警戒すべき疾患や原因により発生することもあります。
     
     
    ですから、こむら返り・痙攣などでお困りの方は、やはりまずはきちんと医師による診断を受けていただくことが望ましいと思われます。
     
     
     
    最後まで読んでいただきありがとうございました。
  • 2020.08.03

    いきいき健康教室ネット「なぜ加齢に伴って転びやすくなるのか?」【医療法人親和会 富田病院 リハビリ 愛知県 名古屋市 中川区】

     
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    富田病院リハビリテーション科、理学療法士の佐藤です。
     
     
     ご覧になっているみなさんの中にも、若い時に比べ、つまづきやすくなったり、転んだりする経験が増えているという方がいるかと思いますが、今日は、人は年齢を重ねるにつれて、なぜ転びやすくなるのか?ということについてお話していきたいと思います。
     
     
     これは一つの要素の問題だけではなく、いくつかの要素が複雑に絡み合ってバランスを崩したり転びやすくなってしまうと考えられますが、転びやすくなる主な原因についてみてみましょう。
     
     
     
    原因① 筋力低下
     20代をピークに、年々、特にタイプⅡ繊維という筋肉の中でも大きな力を発揮する筋線維の減少や萎縮が進みます。(加齢性の筋力・筋量低下。サルコペニア。)素早く動くことができなくなったり、体を大きく動かすことが難しくなっていきます。
     
     
    原因② 感覚機能低下、ボディイメージの低下
     自分で自分の身体がどの程度動いているか、空間の中で自分の身体がどのような姿、形になっているかなどの感覚やイメージする力が低下します。例えるならば、自分の足が思ったより上がっていなくて段差につまづいたなどは、このような機能の低下が原因かもしれません。
     
     
    原因③ 関節可動域の狭小化
     加齢に伴って、各関節の可動域は狭くなっていきます。筋肉や皮膚の硬さが増し伸長性が低下、軟骨や靭帯へのカルシウム沈着による石灰化、動脈硬化など原因は様々ですが、関節の可動範囲は狭くなり、地面と足先の間隔(トゥクリアランス)が低下するなどしてつまづきやすくなります。
     
     
    原因④ 姿勢の乱れ(猫背など)
     姿勢の乱れの中でも背中が丸くなるいわゆる猫背姿勢というのは、非常に発生しやすい姿勢変化です。背中が丸くなることで変位する重心位置を留めるために、頭部が前方に突出したり、腰が反ったりと姿勢が乱れます。特に高齢者では筋力低下や感覚機能低下、脊柱変形等が進行しており、バランスを保つために股関節戦略(ヒップストラテジー)という素早く細かい制動が苦手で大きな力を要するバランス戦略をとるため、バランスを崩しやすくなります。
     
     
     
     
     その他にも視力の問題など細かな個々の原因はあると思いますが、大きなところではこの辺りが原因になると考えられます。
    上記した問題などから、辛いですがいくら転ばないように気をつけていても、つまづきや転びやすくなることは避けられない、と考えています。
    しかし避けられないリスクだからこそ、対応すべき課題であると思いますので、いくつか対処法をお話しします。
     
     
     
     
    対処法① スリッパ・つっかけサンダルなどで出歩かない
     転倒事故で最も多い履物が、スリッパやつっかけサンダルなどの履物であると言われています。家の前の新聞受けまでサンダルで取りに行く、ご近所さんへ回覧板を持っていくなど、家の近辺でのちょっとした外出など油断した時に転倒は発生しやすくなりますので、少しのことでも運動靴やきちんと踵のある履物で歩かれることをおすすめします。
     
     
    対処法② 家の中の小さな段差や引っかかるポイントを無くす
     転倒事故は、先ほど申し上げた家の近所と、家の中で多く発生します。カーペットなどのわずかな段差、扇風機など家電から伸びるコンセントケーブルなどはつまづきや引っかかりによって転倒しやすいポイントです。そのようなポイントを事前に解消します。
     
     
    対処法③ 足首や足ゆびの機能を高める
     転びやすくなる原因に姿勢の乱れを挙げましたが、それに伴って足首や足のゆびのがうまく使えず、機能が低下している方が非常に多くみられます。足部の機能が高まると、素早く細かな制動が可能な足関節戦略(アンクルストラテジー)が使え、転倒しにくくなるといわれています。
     
     
     
    今回は長文になってしまいましたが、転倒は骨折などに繋がって寝たきりの原因になるなど、健康寿命を縮める非常に怖いものであります。
     
     
     
    転倒に限らず、お体のことでお困りのことがありましたらどうぞお気軽にご相談ください。
  • 2020.07.16

    いきいき健康教室ネット「肩の痛み、五十肩(四十肩)について 」【医療法人親和会 富田病院 リハビリテーション 外来】

     
    富田病院リハビリテーション科 理学療法士の佐藤です。
     
    今日は中年期以降に発症する方が多く、腕が上がらない、肩の痛み、夜中に肩の痛みで目が覚めるなどの症状が発生する、俗に言う「五十肩(四十肩)」についてお話しします。
     
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    ※日本整形外科学会より
     
     
     
     
    江戸時代の国語辞典に「人五十歳ばかりの時、手腕、関節痛むことあり、程過ぎれば薬せずして癒ゆるものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいう」なんて文章が書かれていたことが由来だそうですが、
     
     
    50歳ぐらいに肩や腕が痛むが、ある程度の期間が過ぎれば自然に治るものを「五十肩」と呼んだそうです。
     
     
     
    そうなんです。半年や1年、長い方では2年とかけて自然治癒していく例が多いのですが、中には誤った対処法などにより、関節可動域制限や疼痛の増悪など、どんどんと症状が悪化してしまう方もいます。
    ですから、肩の症状でお困りの方はお早めに医療機関へ受診されることをおすすめします。
     
     
     
     
     
    そしてもう少し、注意していただきたい点も含めてお話ししますと、
    俗に言うこの五十肩(四十肩)、病院などで診断される際には「肩関節周囲炎」という名前で呼ばれます。
     
     
    この「肩関節周囲炎」という診断名も、「肩の周囲の炎症」というなんとも煮え切らない、しかし言い得て妙という診断名でして、
    実際には肩関節を構成する様々な組織、回旋筋腱板(ローテーターカフ)や肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱の損傷や炎症などが発生し、痛みや可動制限といった目に見える症候を出します。
     
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    ※日本整形外科学会より
     
     
     
     
    なので「肩関節周囲炎」と一言で言っても、人によって原因や治療法は変わってきます。
     
     
    特に炎症期という炎症が盛んに発生している病期においては「夜間痛」という夜中の肩の痛み、寝ているだけなのに肩の痛みで目が覚めるなどの症状が出やすいことが特徴です。
     
    この炎症期に陥りがちな過ちとして多いのが、
     
     
    「肩を動かさないと硬くなってしまう!」と
     
     
    一生懸命に痛みを出しながら、ぐるぐると肩を回す運動などをしてしまうことです。
     
     
     
    関節が固まらないように、痛みを出しながらも肩や腕をぐるぐる、、、
     
     
     
    実はこれは損傷、炎症をさらに悪化させ、さらなる疼痛増悪や強い関節可動域制限を作り出す(関節が硬く固まってしまい、強い可動制限を起こす凍結肩、フローズンショルダーなどと呼ばれます)やってはいけない行為といえます。
     
     
     
    その他にもいくつか注意点がありますが、肩の症状でお困りの方は、まずはお気軽に整形外科を受診してきただき、リハビリテーションプログラムを受けられることをおすすめします。
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