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2020.07.16
いきいき健康教室ネット「肩の痛み、五十肩(四十肩)について 」【医療法人親和会 富田病院 リハビリテーション 外来】
富田病院リハビリテーション科 理学療法士の佐藤です。今日は中年期以降に発症する方が多く、腕が上がらない、肩の痛み、夜中に肩の痛みで目が覚めるなどの症状が発生する、俗に言う「五十肩(四十肩)」についてお話しします。※日本整形外科学会より江戸時代の国語辞典に「人五十歳ばかりの時、手腕、関節痛むことあり、程過ぎれば薬せずして癒ゆるものなり、俗にこれを五十腕とも五十肩ともいう」なんて文章が書かれていたことが由来だそうですが、50歳ぐらいに肩や腕が痛むが、ある程度の期間が過ぎれば自然に治るものを「五十肩」と呼んだそうです。そうなんです。半年や1年、長い方では2年とかけて自然治癒していく例が多いのですが、中には誤った対処法などにより、関節可動域制限や疼痛の増悪など、どんどんと症状が悪化してしまう方もいます。ですから、肩の症状でお困りの方はお早めに医療機関へ受診されることをおすすめします。そしてもう少し、注意していただきたい点も含めてお話ししますと、俗に言うこの五十肩(四十肩)、病院などで診断される際には「肩関節周囲炎」という名前で呼ばれます。この「肩関節周囲炎」という診断名も、「肩の周囲の炎症」というなんとも煮え切らない、しかし言い得て妙という診断名でして、実際には肩関節を構成する様々な組織、回旋筋腱板(ローテーターカフ)や肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱の損傷や炎症などが発生し、痛みや可動制限といった目に見える症候を出します。※日本整形外科学会よりなので「肩関節周囲炎」と一言で言っても、人によって原因や治療法は変わってきます。特に炎症期という炎症が盛んに発生している病期においては「夜間痛」という夜中の肩の痛み、寝ているだけなのに肩の痛みで目が覚めるなどの症状が出やすいことが特徴です。この炎症期に陥りがちな過ちとして多いのが、「肩を動かさないと硬くなってしまう!」と一生懸命に痛みを出しながら、ぐるぐると肩を回す運動などをしてしまうことです。関節が固まらないように、痛みを出しながらも肩や腕をぐるぐる、、、実はこれは損傷、炎症をさらに悪化させ、さらなる疼痛増悪や強い関節可動域制限を作り出す(関節が硬く固まってしまい、強い可動制限を起こす凍結肩、フローズンショルダーなどと呼ばれます)やってはいけない行為といえます。その他にもいくつか注意点がありますが、肩の症状でお困りの方は、まずはお気軽に整形外科を受診してきただき、リハビリテーションプログラムを受けられることをおすすめします。