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2020.07.01
いきいき健康教室ネット「変形性膝関節症について」【富田病院 リハビリテーション】
今日は膝の痛みの中でも、罹患率の高い変形性膝関節症についてお話しします。変形性膝関節症の中でも9割以上の方が内反変形といういわゆるO脚変形をきたし、深いしゃがみ動作や正座が出来ない、膝の曲げ伸ばし、立ち上がり、歩き出し、階段昇降などに膝の(特に内側に出やすい)痛みが発生します。※公益社団法人 日本整形外科学会より特に体重が重い方、若い時から膝を酷使するスポーツをされていた方などは軟骨の摩耗が進んでいる方が多く、膝の変形や痛みに繋がりやすいといえます。また、坂道や段差の昇降では体重の5〜7倍ともいわれる負荷が膝にかかりますので、山岳部に住む方々の変形性膝関節症の罹患率が高いというお話まであります。膝の痛みの原因は、内側広筋という膝の内側の筋肉の筋力低下など、多くの方に共通して生じる原因はありますが、やはりその人それぞれに原因は微妙に変わってきます。少しマニアックになってしまいますが、関節水腫に伴う反射性抑制、膝関節機能障害に伴う膝関節屈曲や伸展可動制限、内転筋群の筋力低下、内側広筋と縫工筋の癒着、下腿の外旋変位、足関節や足趾機能低下などなど、膝関節に支障をきたす原因はまだまだ数多くあります。原因が変われば、対処法やトレーニングの仕方もそれぞれに変わってきます。また、同じ疾患、同じ原因で痛みが出ていたとしても、今現在の病期(その疾患の進行度や段階など)によっても行うべきトレーニングや対処法は変化します。テレビで紹介されていたから、インターネットで調べたら出てきたからと、原因や病期を無視した形での対処により、痛みや変形が悪化してしまうこともあります。やはり膝の痛みで苦痛を感じている方、お困りの方はお早めに整形外科への受診、そして理学療法士などの国家資格を有するスタッフと共にリハビリテーションプログラムを行うことをおすすめします。