2020.12.25
年末のご挨拶【 医療法人 富田病院 介護医療院 松和苑 老人保健施設 通所リハビリテーション 】
今年も早いもので、年末のご挨拶をさせていただく時期となりました。
皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本年もご家族様、地域の方々、関係機関の方々には大変お世話になりました。
格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。
皆様方のご尽力により、富田病院、老人保健施設 松和苑、両施設のかの里地区への移転から三年を迎えることができました。
重ねて御礼申し上げます。
今年は新型コロナウイルス感染症により、様々な影響を受ける一年となりました。
ご面会の制限等で多大なるご心配をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。
この状況が一日でも早く終息へ向かいますことと、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
自分自身と向き合い、心身共に健康でいられることが、とても大切なことだとしみじみ感じます。
皆様の生活の中において、お困り事がございました時に、当法人が少しでもお力添えできれば幸いです。いつでもお気軽にご相談ください。
来年も誠心誠意努力する所存ですので、より一層のご支援を賜わりますよう、職員一同心よりお願い申し上げます。
時節柄、ご多忙のこと存じます。くれぐれもお身体にはご自愛くださいませ。
来年も相変わらぬご愛顧を頂けますようお願い申し上げ、歳末のご挨拶とさせて頂きます。
医療法人親和会 職員一同
2020.12.01
腰部脊柱管狭窄症と診断された方、歩くと足の痛みで長く歩けない方へ
腰部脊柱管狭窄症と診断された方、歩くと足の痛みで長く歩けない方へ
富田病院リハビリテーション科 理学療法士の佐藤です。
本日は脊柱管狭窄症について一般的内容から、現場で私が肌で感じているポイントまでお話しさせていただきます。
脊柱管狭窄症は下図のようにいわゆる背骨の中の神経が通る空洞が、加齢に伴う椎間板の変性や黄色靭帯の肥厚、椎体のずれなどによって狭くなる疾患です。
※日本整形外科学会より
腰部痛(脊柱管狭窄に伴う腰部痛ではないと考えられます。ここで詳細は割愛しますがその他多くの要因によるものと考えられますが、脊柱管狭窄症の方で腰部痛を訴える方は非常に多いです)臀部痛、下肢痛、しびれ、間欠性跛行症状などが特徴的に出現します。
間欠性跛行とは、歩いているとだんだんと下肢痛などが増悪して休憩を要し、座るなど背中を丸くして休憩をすると症状の改善がみられる状態です。
間欠性跛行などの下肢症状は神経由来のものと下肢の血管由来のもの(下肢閉塞性動脈硬化症など)があるとされていますが、脊柱管狭窄症の方は自転車に乗るなど下肢の運動のみであれば問題がないという方が多く(自転車に乗る姿勢にもよりますが、基本的に背中が丸くなることが多いので下肢症状がでにくい)、血管由来の方は下肢運動に伴って下肢症状が出現しやすいので歩いても自転車でも症状が出るという方が多いです。
そして脊柱管狭窄症の方によく質問される内容はこれです。
「脊柱管狭窄症は治りますか?」
シンプルな質問ですが非常に回答が難しい質問です。
(余談ですが日本の法律では病気、疾患を治療することは理学療法の領域ではなく医師の領域です。そういった法律的な意味でも難しい質問なのです。理学療法士は身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えるのが仕事と法律に定められており、私たちは理学療法を用いて患者さんの生活障害の改善や、よりより生活への手助け、つまりリハビリテーションをお手伝いします。)
私はこの質問をしていただいた際には、「疾患」としての側面と「症状」としての二つの側面に沿って回答する必要があると考えています。
まずは脊柱管狭窄症という「疾患」としての側面では、加齢に伴う変性に関しては治療することは困難です。ただし排尿・排便障害や激しい日常生活障害がある場合は外科的手術の適応となります。これらは手術で改善する可能性がありますが、症状の程度や期間、回復力など様々な要因で全ての方が完全に改善する訳ではありません。
又、手術に関しては当院では行っておりませんので、ご希望される方は医師と相談し手術可能な病院の紹介を受けるなどしてください。
続いて下肢痛や間欠性跛行といった「症状」としての側面に関しては、理学療法によって症状が軽減する可能性があります。これも全ての方が改善するということではなく、硬くなった筋肉や関節を柔らかくしたり、筋力強化、姿勢改善、栄養状態改善、セルフエクサイズを含めた活動量の調整などを行うことで症状が和らいだり改善する可能性があります。
上記症状などでお困りの方はお早めに医療機関へかかられることをおすすめします。
さて最後に、実は脊柱管狭窄や椎間板変性、ヘルニアなどの画像所見は年齢が上がることでほとんど方に発生していると言われています。
ではなぜそのような画像所見があっても、痛みや跛行などの症状がない、生活に困ることがないのでしょうか?これがまた興味深いところであります。
そのあたりはまた話が長くなるのでまたの機会にお話ししたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。