2017.01.18 認知症について① “認知症かな?と思ったら”
認知症の症状や初期症状を理解することで早期発見、早期対応を!
高齢社会に伴い認知症の方も増加傾向にあります。
最近では認知症高齢者の車の運転による事故など社会問題として取り上げられることも少なくありません。
我々医療法人としましても地域の高齢者の方々が、馴染みある地域で安心して生活していただくために、少しでもお役に立ちたいと考えております。
残念ながら、現在の医療では認知症を完治させることはできません。
しかし、完治することはできませんが、脳の神経を刺激することにより、
進行を遅らせることや、周りのサポートで、できる限り元の生活を維持していくことは可能です。
認知症とひとくくりに言っても実は様々な種類があります。
発症のタイミングや進行の速度は本当に様々です。もちろん個人差もございます。
加齢や、脳の状態、精神的なこと、元々の性格、ストレス、、、など様々なことが複雑に絡み合い、認知症は発症、進行していくと考えられています。
安易な薬でのコントロールは本当に危険です。
正しい診断、適切な対応が肝心です。
正しい知識を知ることで、その人らしい生活をできるだけ継続できるよう、サポートしていきましょう。
認知症においても他の疾病と同様に早期発見、早期対応をしていくことが大切です。
●初期症状と症状は何?
認知症は細かく分類する事ができ、各々の疾患によって症状は異なりますが、疾患名の通り、認知機能の低下が伴います。
周囲が気付きやすい初期の症状として記銘力の低下が挙げられます。
物忘れとは違い、思い出す事ができません。
例えば、
・昔の事は覚えているが最近の事は忘れやすい
・何をしようとしていたのか思い出せない
・しまい忘れ、置忘れが多くなる
といった事例があります。
物忘れは忘れたこと自体は覚えていますが、
認知症は忘れたこと自体を忘れてしまう病気です。
もの忘れが徐々に進行して認知症になる場合もあるため心配ならば、物忘れ外来を受診してみるのも一つの手段です。
認知症は主に下記の二つの特徴が見られます。
1、中核症状 (防ぎようのない事)
2、行動、心理症状 (外的環境に起因することが多い事)
中核症状としては、記憶障害、判断力の障害、問題解決力の障害、実行機能障害、失行、失認、失語が挙げられます。
例えば
・料理が作れない、金銭管理が出来なくなる
・夏なのにセーターを着用する
・トイレの便座にズボンを履いたまま座る
などの事例があります。
行動、心理症状として、幻覚、妄想、不眠、不穏、徘徊、収集癖などがあります。
例えば
・誰かに監視される
・必要ないのにウロウロと歩き回る
・なんだか心配でじっとしていられない
といった事例があります。
これらの症状は自覚がないことが多いため、周囲のサポートが必要になってきます。
まずは周囲の環境や、関わり方を考え、
症状の出現に気付いたら早めに医療機関の受診を行いましょう。
専門的な難しい話ではなく、分かりやすい言葉で説明させていただきます。
松和病院、松和苑のフロアでもお気軽にご相談ください。
全ての病気に共通することですが、病は気からとはよく言ったもので、
認知症に関しても、笑顔で安らげる人間関係や、周囲の環境など、
認知症の方を愛する気持ちが、一番の薬であるように感じています。